(0)この作品のオメガバース設定について

 オメガバースについて基礎知識のある方は読み飛ばしていただいて問題ないと思います。
 オメガバース設定の定番の内容の中に、独自設定も混じっています。世の中のオメガバース作品全てに共通するものではありません。

舞台

 現代日本に似たとある国。

αβΩ性(ABO性)について

 舞台となる国では、男女の他にαβΩ性という性別が存在する。近年性別格差が問題視され、改善されては来ているが、いまだ消えない。

アルファ
 全人口の約一割。
 ベータやオメガより知能も身体機能も優れているとされている。(個人差は大いにある) 国家上層部や集団内のヒエラルキー上位は大抵アルファ。
 アルファ女性は妊娠することもさせることも可能な両性。
ベータ
 多数派の平均。
オメガ
 全人口の一割以下。
 かつて「産む性」と言われアルファよりベータより下に置かれていた。いまだ社会的弱者という位置づけ。オメガを保護する様々な社会制度がある。
 男女どちらも妊娠可能。オメガ男性は妊娠することもさせることも可能な両性。アルファ女性やベータ女性に比べ多産。特に妊娠しやすい発情期がある。(後述)

発情期

 ニ、三ヶ月に一度、オメガにのみ訪れる、特に妊娠しやすい期間。だいたい五日から一週間程度続く。この期間はアルファを性行為に誘うフェロモン(オメガフェロモン)を大量に撒き散らす。フェロモンの影響を受けたアルファもまた発情し、抑えがたい性衝動に駆られる。誘うことも誘われることも、本人の意思は関係ない。
 現代社会において発情期は薬(発情抑制剤)でコントロールすることが可能。人生で一度も発情期にならないオメガも多い。
 いったん発情期に入ると、通常の発情抑制剤は効かず、緊急抑制剤を注射する必要がある。

番(つがい)

 発情期中にオメガの首筋、フェロモンが分泌される臭腺のあたりをアルファが噛むことで、番というものが成立する。簡単に言うとアルファとオメガの間にだけ成立する原始的な結婚のようなもの。
 歴史的に見て立場の弱いオメガが、生き残るために選んだ方法とされるのが、強いアルファに守ってもらうこと。守ることの見返りとして、アルファはオメガに多くの子を産むことと忠実な愛を捧げることを望んだ。元々はそういった利害関係一致による契約だった。
 番になることで、発情期中のオメガは番以外のアルファを誘うことがなくなり、アルファは番以外のオメガに誘惑されなくなる。番同士は精神的にも深く結びつき、番以外との性行為は身体が受け付けなくなるし、番と引き離されるようとすると非常に大きなストレスに苛まれる。
 一度成立した番関係を解消する方法は現在のところ見つかっていない。
 メリットもあるがデメリットも大きいので、番関係を結ばないアルファとオメガのカップルも多い。

運命の人?

 アルファとオメガの間には、番になるべくして生まれたような組み合わせが存在する、と言われる。真偽のほどは不明。ただの都市伝説と言う者もある。